2015年9月18日金曜日

中和するために


『老いてさまよう 認知症の人はいま』(毎日新聞特別報道グループ編著)を読んでいます。認知症の介護現場のルポルタージュです。


介護報酬目当てに民間集合住宅で高齢者を囲い込んで、適切なサービスを実施していない業者がいます。利用者は部屋に閉じ込められたまま、心身ともに弱り・・・介護ヘルパーはあまりにも過酷な労働を強いられています。そんな場所であっても、利用せざるを得ない現実があります。そこがなくなってしまうと、困る人もいます。だから、行政も見て見ぬふりをしています。

「なんて、ひどい」と思いますが・・・「なんて、ひどい」と思う私って一体なんなんだって思いました。このままでいいはずがない、こうなったらいいのにとは思います。きっと、そう思う人は他にもたくさんいると思いますが、そうはならない、できない現実があるから、今こうなっています。だから、「なんて、ひどい」と思うだけの立場は楽であり、無責任じゃないかと、ふと思ったのです。

もちろん、このままでいいとは思いません。“知らない”から“少し知った”状態になったので、考え続けます。


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