2015年2月17日火曜日

今だからこそ、向き合えること



涙は零れない

「なんで泣いてなかったん?」
と訊かれたあの日
母の葬式後の昼下がり
私は瞳を伏せた

泣きたかったのに
泣けなくて
冷静な自分がそこにいた
泣き崩れる父を見おろしていた

「冷たい子ね」
とみんなは言うけれど
私のこころ
何も感じない
ただ足の痺れ
気になるだけ

同情の声
愛想笑いする
親戚の目
視線を反らす

空に立ち上る煙
風に流され何処に逝くのか

その夜、空で眠った私
背中を風が吹き抜けていく
「あっ・・・」
瞳から涙が零れた




高校生の頃に書き綴った詩です。

小学4年生の時に母を亡くしてから、
5年ほど経って。

ようやく、母の死と、
その時の自分と向き合えた気がします。

だからこそ、書けた詩です。




生きていると、
かなしいことやつらいことがあります。

その出来事に直面している時も、
かなしくて、つらい。


生きていくために、
かなしみやつらさを抱えた自分に気づかないふりをして・・・


でも、ある瞬間に、
そんな自分が語りかけてくることがあります。

そんな自分と向き合うことは、
かなしくて、つらいけれど。

きっと、それは乗り越えられるタイミングに
語りかけてきてくれているのだと思うのです。


そんなことを、
友人の大切な話を聞いて、改めて。



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